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冷たい熱帯魚 【映画レビュー】

※ネタバレありご注意

 

【評価】

4.5/5

 

【あらすじ】

主人公は熱帯魚店を営む冴えない中年男.

ある日,自分と同業の熱帯魚店を営む村田という男と知り合う.

村田から儲け話を持ち掛けられ,半信半疑に付き合いの距離感を探している内に,村田の殺人に加担してしまい,脅し・恐喝され,弱腰な主人公はなし崩し的に連続殺人に協力してしまう…

 

【ラスト】

主人公は,何度も殺人に加担させられ,警察にも疑われ始め,妻も寝取られたりとストレスを溜め込む.

それでもずるずると村田に従ってしまう自分自身を,村田からズバリ言い当てられる.

「自分では何も決められない男だ」と.

プライドもズタズタになりとうとう逆上した主人公は,村田を殺し,妻も殺し,自らも命を絶つ選択をした.

 

【感想】

印象的なのは何といってもラスト手前,主人公・社本が豹変する原因となった村田の難詰シーン.

振り返れば,人畜無害な主人公が,最後は暴力・殺人を犯すことになる動機を如何に納得感持って描けるかが重要であった本作.

その根幹を描いた1シーンは,でんでんさんの見事な演技も相まって圧巻でした.

邦画に残る名シーンの1つと思います.

 

実際にあった猟奇殺人事件を描いた作品で「凶悪」と作風が似ています(凶悪の方が後年の作品).

凶悪ではリリー・フランキーサイコパス的な怖さが印象的ですが,本作はそれにグロ要素が加わった感じ.

胸糞悪いものの作品としての面白さは抜群でした.

個人的には意味不明だった「愛のむきだし」と同じ監督の作品とは思えません.

ただ上述のように暴力・殺人・グロ要素満載なので人を選ぶ作品だとは思います.